【日本の電気史】なぜ日本は「50Hz」と「60Hz」に引き裂かれたのか?明治のライバル対決が生んだ100年のミステリー深掘り

電気・雑学情報館
HISTORY of ENERGY

明治の「買い物」が日本を分断した。
電気の周波数はなぜ2つある?

東京はドイツ製、大阪はアメリカ製。
100年前のライバル関係が残した「見えない壁」の話。

日本に初めて「電気の明かり」が灯った日をご存知でしょうか?
明治11年(1878年)3月25日。東京・虎ノ門でのことでした。

それから約150年。
私たちは世界でもトップクラスの電力大国になりましたが、同時に「世界でも珍しい弱点」を抱えたまま発展してきました。

それが、東日本(50Hz)と西日本(60Hz)の「周波数の分裂」です。
今回は、教科書には載っていない「電気の歴史ミステリー」を紐解きます。

1. 明治の銀座を照らした「アーク灯」の衝撃

話は明治の初めまで遡ります。
当時の夜の明かりといえば、またたくロウソクやガス灯で、街は薄暗いものでした。

そんな中、銀座の街頭に初めて電気の街灯(アーク灯)が設置されると、人々は度肝を抜かれました。

「一にお日様、二にアーク灯」

当時の流行語

太陽の次に明るい!と謳われるほど、その青白く強烈な光は、文明開化の象徴となったのです。
ここから、日本の「電気ブーム」が爆発します。

2. 東京vs大阪!発電機選びで「ケンカ別れ」

電気が商売になると分かれば、電力会社が立ち上がります。
ここで、日本の運命を決める「二大勢力の選択」が行われました。

🗼 東京電灯(現・東京電力)

「質実剛健なドイツ製がいい」
当時、技術力で世界をリードしていたドイツのAEG社から発電機を購入。
→ ドイツ規格の【50Hz】を採用

VS
🏯 大阪電灯(現・関西電力)

「いや、これからはアメリカの時代や」
エジソンが創業したアメリカのGE社から発電機を購入。
→ アメリカ規格の【60Hz】を採用

「えっ、相談しなかったの?」と思いますよね。
当時は電気を送れる距離が短く、「東京と大阪の電線が将来繋がる」なんて誰も想像していなかったのです。

それぞれの地域でベストだと思う機械を導入した結果、気づいた時にはもう「統一不可能な規模」まで普及してしまっていた…これが真相です。

3. 【トリビア】新幹線は走りながら「切り替えて」いる?

この「周波数の壁」に一番苦労したのが、東京と大阪を高速で結ぶ「東海道新幹線」です。

時速200km以上で走りながら、50Hzエリア(東京)から60Hzエリア(大阪)へ突入しなければなりません。
そのままではモーターが壊れてしまいます。

🚄 どうやって解決した?

実は、東海道新幹線は全区間を「60Hz」で統一しています。
東京駅などの50Hzエリアでは、わざわざ「周波数変換所」を通して60Hzに変換した電気を新幹線に送っているのです。

※北陸新幹線などは、車体の中に「周波数切り替えスイッチ」を持っていて、走りながら電気の種類を変えるという離れ業をやってのけています。

4. 結論:歴史は変えられないが、未来は選べる

3.11の震災時、西日本の電気が東日本へ十分に送れなかったように、この「明治時代の買い物」の影響は100年後の今も続いています。
国のインフラを統一するのは、もはや不可能です。

しかし、「自分の家の電気」なら、統一規格に縛られずに選ぶことができます。

☀️ 自宅を「独立国家」にしよう

太陽光発電と蓄電池があれば、電線の周波数がどうあれ、送電網が寸断されようと、関係ありません。
自宅で作り、自宅で使う。
歴史的な「しがらみ」から解放された、最も自由で安全なエネルギー生活。
それが、令和の時代の賢い選択肢なのです。

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