【電気の雑学】なぜスズメは6600ボルトの電線で感電しない?「電気の水流理論」で解説する生死の境界線

電気・雑学情報館
ELECTRIC TRIVIA

なぜスズメは黒焦げにならない?
6600ボルトの電線と「生死の境界線」

その秘密は「ゴムの足」でも「特殊能力」でもありません。
もっと単純な物理の法則でした。

街中の電柱を見上げると、高圧電線(6,600V)にスズメやハトが平気な顔で止まっています。

人間なら一瞬で命を落とすほどの高電圧。
彼らはなぜ感電しないのでしょうか?

「足の皮が分厚いから?」
「鳥は電気を通さないから?」

いいえ、違います。
実は、ある「たったひとつの条件」さえ満たせば、人間が生身で触っても感電しないのです。

1. 電気は「水」と同じ? 感電のメカニズム

この謎を解く鍵は、「電気は高いところから低いところへ流れる」という性質にあります。
これを水に例えると分かりやすくなります。

💧 川の流れでイメージしてみよう

電圧(ボルト)= 「高さ」
滝のように高低差があればあるほど、水は勢いよく流れます。
電流(アンペア)= 「水量」
実際に流れている水の量です。これが体を通過すると「感電」します。

感電する条件は、「高さ(電圧)が違う2箇所を同時に触ること」です。
高いところと低いところを繋ぐと、その間にある体を通って電気がドッと流れるのです。

2. スズメが助かり、カラスが危ない理由

では、電線に止まっているスズメを見てみましょう。

スズメは「1本の電線」の上に両足で立っています。
この時、右足も左足も、同じ「6,600Vの高さ」にあります。

✅ ここがポイント!

高さ(電圧)に差がないため、電気はスズメの体を通ろうとしません。
水が平らな場所で流れないのと同じで、スズメの体には電気が一滴も流れていないのです。
これを専門用語で「電位差がない」と言います。

しかし、これが大型の鳥(カラスやサギなど)だと話が変わります。
彼らは体が大きいため、羽を広げた時にうっかり「隣の電線」「電柱(アース)」に触れてしまうことがあります。

  • 右羽:6,600Vの電線
  • 左羽:0Vの電柱

こうなった瞬間、6,600Vの高低差が生まれ、体の中を雷のような電気が突き抜けます。
これが鳥による停電事故(ショート)の原因です。

3. もし人間が電線にぶら下がったら?

理論上は、人間も鳥と同じことができます。
ヘリコプターから空中に吊るされた電線に飛び移り、「地面にも電柱にも触れず、1本の電線だけにぶら下がる」ことができれば、感電しません。

実際に、超高圧電線のメンテナンスを行う作業員(ラインマン)は、電気を流したまま電線の上を歩いて作業しています。
(※特殊な防護服を着て、完全に電線と同じ電圧になる「等電位化」を行っているため安全なのです)

※絶対に真似しないでください。近づくだけで電気が飛んでくる(アーク放電)可能性があります。

4. 結論:電気の「流れ」をコントロールする

「電気は高いところから低いところへ流れる」。
この単純なルールさえ知っていれば、電気は決して怖いものではありません。

そして、このルールを逆手に取ったのが「太陽光発電」です。

☀️ 家の電圧を「高く」すれば売れる

通常、電気は「発電所(高)→ 家庭(低)」へと流れてきます。
しかし、自宅の屋根で発電し、パワーコンディショナで電圧を少しだけ「高く」してあげるとどうなるでしょう?

流れが逆転し、「家庭(高)→ 電線(低)」へと電気が押し出されます。
これが「売電」の仕組みです。

スズメが教えてくれた「電圧の法則」は、実は私たちの家計を助けるシステムにも使われているのです。

電気の流れを「見える化」してみませんか?

「今、家でどれくらい発電してる?」「買ってる電気はいくら?」
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